災害対策 - 災害が発生したら

1.先ずは安全確保!!

地震直後は、外に避難するよりも揺れがおさまるまで建物内にいるほうが安全な場合も。
建物の外周で地面の隆起などが発生したり、飛散したガラスで大けがをすることがあります。
崩落しそうな場所がないか気をつけてください。
ヘルメット、通信機器(携帯電話、トランシーバー)、懐中電灯、厚底の靴等の装備。
安否確認、館長やリーダーへの伝達。
来館者やスタッフの安否確認を行います。
全体の指揮をとるリーダーは、停電や火災等も想定し、自らの待機場所を決めておきます。
負傷者の応急手当
参考:怪我などに対する応急措置方法(内閣府 国民保護ポータルサイト) 

2.避難誘導

エントランスホールや正面玄関、屋外庭園など、来館者を一時的に安全な場所へ誘導します。
  • 崩落や火災など、建物内で寸断されている可能性があります。
  • 津波の危険のあるときには高台へ。
当面の身の安全が確保できれば「指定緊急避難所」へ、大規模火災となった場合は「広域避難所」へ
帰宅困難な来館者には「指定緊急避難所」「避難所」を紹介します。
閉館、チケット扱いの判断(展覧会の払い戻し等)

3.資料対応

危険個所や暗所などでは2人以上で行動します。
  • 確認途中に被災する可能性がありますので、助けを呼びに行く人が必要です。
損傷した作品は、触れる前になるべく状況がわかる写真記録をとりましょう。
  • 保険会社や相談先に提供する資料、さらには報告書等で必要になります。
停電になったらセキュリティや身の安全を優先し、収蔵庫や展示室には電気が復旧してから本格的に入る方が賢明です。
  • その後も空調機械に不具合があれば、除湿器で高湿度を抑え、サーキュレーターなどで室内の空気を動かすとカビの発生が抑制されます。
関係各所に報告
  • 館長等管理責任者、管轄部署、同僚、家族等に先ず報告。
  • 少し落ち着いてから展覧会関係者や所蔵者、寄託者などに連絡。
  • 全国美術館会議の広域ブロック本部館(または広域ブロック副本部館)や県域連絡本部館へも連絡してください。
    貴館から了解された内容と方法で、会員館や文化財防災センターへ報告します。
    このことで、他からの安否の問い合わせ件数が減り負担が少なくなる場合や、専門家による適切なアドヴァイスを受けられる場合があります。

4.救援が必要な場合は

作品の被害について急を要する場合も、広域ブロック本部館等にご相談ください。指定文化財は県や市の教育委員会へ。
可能であれば写真資料や映像資料を提供してくだされば、対処方法の判断がより正確になります。

5.二次災害の防止

大災害時はミュージアム以外の業務につくこともあり、防犯対策が疎かになります。作品の落下や転倒防止などとともに可能な範囲で行いましょう。

参考例:『阪神大震災美術館・博物館総合調査Ⅱ』pp.13-62(作品落下転倒事例)、pp.86-89(転倒などのメカニズムについて)、『東日本大震災美術館・博物館総合調査報告』p.19、p.61、p.110(以上、テグスの種類や効果、問題点)、pp.110-112、pp.159-162、pp.193-194(以上、作品落下転倒事例)

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