全国美術館会議と災害対策

1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災で、兵庫県南部を中心にした地域の美術館をはじめとする文化財保管展示施設や社寺、そこに収蔵保管されていた文化財等が大きな被害を受けました。
その被災文化財等を救出するため、文化庁長官の呼びかけによって「阪神・淡路大震災被災文化財等救援委員会」が組織され、いわゆる文化財レスキュー事業がはじめて組織的なかたちで実施されました。
全国美術館会議はこの救援委員会に協力団体として参加するとともに、独自に美術館・博物館の被災に関する総合調査 を実施しました。
また将来の大災害に備えるため1998(平成10)年に「大災害発生時における対策等に関する要綱(PDF:202.0KB)」並びに「大災害時における連絡網実施要領(PDF:238.8KB)大災害時における援助活動実施要領(PDF:193.8KB)」を定めました。
2011(平成23)年には東日本大震災が発生し、東北地方の太平洋岸地域を中心に未曾有の大災害をもたらしました。
ここでも「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会」が組織され、文化財レスキュー事業が展開されました
全国美術館会議はこの事業にも積極的に協力するとともに、チャリティー募金活動をはじめとする事業によって必要な資金を確保し、東日本大震災復興対策委員会を設置し、美術品を中心とした被災文化財の保全や被災地域の美術館等への復興支援活動を展開してきました。この活動は文化財レスキュー事業に参画した諸団体の中でも、ひときわ充実したものとして注目と評価を得ることができました。
その際、この要綱等は活動の拠り所となったものの、一方で大災害発生時における諸活動を円滑に実施するためには十分でないことも明らかとなりました。
東日本大震災以降も、各地で地震災害や風水害等が頻発するようになっています。
そのため東日本大震災における美術館等の復興支援を継続しつつ、将来、大災害が発生した時の諸問題にも備えるため、2017(平成29)年5月25日に、東日本大震災復興対策委員会に代え、災害対策委員会 を発足させました。
そして平時から必要な防災対策に取り組むとともに、災害発生時に迅速かつ適切な対処ができるよう要綱を2019(令和元)年5月に改正しました。
主たる改正内容は、大災害発生時の被災状況に関する情報収集や救援活動等が、都道府県単位で実施されることに対応できるよう、この要綱等でも都道府県立美術館等を拠点館と位置付け、災害対策本部、広域ブロック本部館との連携のもとに、より適切な活動ができるようにしたことにあります。
このような災害対策委員会の発足と要綱の改正を機に、「全国美術館会議と災害対策」という本コンテンツを作成することにいたしました。
各会員館には、日頃から防災対策への取り組みを推進されるととともに、全国美術館会議における防災対策や大災害発生時における活動にもご理解とご協力をくだいますようお願い申し上げます。

全国美術館会議 災害対策委員会