美術館運営研究部会

日時
2022年12月2日(金)
14:00~16:30
場所
オンライン開催

第36回美術館運営制度研究部会会合報告

内 容

議題:1 博物館法改正について
   2 美術品国家補償制度について
   3 部会の名称とメンバーの拡充について
   
 前回から1年ぶりの開催となった美術館運営制度研究部会(以下「MRG」)の第36回会合は、Zoomによるオンライン開催となった。
 最初の議題、博物館法改正に関しては前々回の会合でも議題にしたところだが、今年(2022年)の通常国会で一部を改正する法律案が可決、制定され、来年4月から施行される。これを受けて今年8月から10月にかけて、日本博物館協会、全国美術館会議そして私立美術館会議がそれぞれ個別に、法改正に伴う博物館制度充実に向けた要望書を文部科学大臣へ提出している。
 しかしながら、今回改正の中心となったのは博物館登録制度の見直しであり、改正に向けて文化庁文化審議会博物館部会で行われた検討の中でも大きな論点だった学芸員資格の見直しは、今後の課題として残されたままなのが現状である。現在、専門職としての学芸員の位置づけ、例えば、“雑芸員”から専門化・分業化へ、あるいは学芸員以外の専門職配置の必要性などが課題として挙げられる。その一方、館の規模=職員数の制約や雇用形態(正規・非正規、有期雇用)の問題もあり、現場の実状は複雑である。
 そこでMRGとしては、学芸員の現場における課題や今後望まれることについての調査を行い、それをまとめて何らかの形で将来に向けた報告の発表を目指すこととした。その具体的な調査方法や内容については、幹事が年内を目標に素案を作ったうえでメンバーに諮り、まとめていく予定である。
 ところでMRGの前身の一つは2004年発足の「美術品国家補償制度研究部会」である。美術品国家補償制度に関する法律(2011年)が制定されて10年余りが経過し、「作品評価額50億円以上という基準」をはじめ、制度運用上の課題も目立つようになってきた。
 これを踏まえMRGでは、部会長を中心として文化庁と制度運用の見直しへ向けて話し合う機会を設けることになった。その場には、MRGメンバーに限らず国・公・私立館からそれぞれ代表者を出すことを考えている。美術品国家補償制度への申請資格の一つとして登録博物館があるわけだが、文化庁は改正博物館法のもとで登録博物館の数を増やしたい意向がある。したがって、美術品国家補償制度へ申請しやすくするように制度を見直すことは登録博物館の増加にもつながる可能性があり、文化庁としても受け入れられるのではないかと考えられる。
 最後の議題としてMRG自体についてであるが、まず、大変残念なことに、11月に逝去された越智裕二郎氏(全国美術館会議監事、情報・資料研究部会長)はMRGのメンバーでもあり、これまで部会会合では積極的にご意見をいただいていた。改めてこの場でお悔やみ申し上げたい。
 MRGはこのところ大きく部会員が増えているわけではない一方、退職・転職などで個人会員に切り替える結果、正会員=加盟館職員のメンバーが減少傾向にある(実は現・幹事も1年余り後にはそこに連なるかも)。メンバーの増強や、部会の名称をこのままにするか否かなど、MRGの今後についても話し合った次第である。この部会へ新規に参加いただくことに関しては門戸を開いているので、ぜひMRGに加わることをご検討いただければと思う。    
(文責:安田 篤生)

出席者:11名

浅野秀剛(部会長:大和文華館)
安田篤生(幹事:奈良県立美術館)
貝塚 健(石橋財団アーティゾン美術館)
逢坂恵理子(国立新美術館)
青木加苗(和歌山県立近代美術館)
柳澤宏美(高知県立美術館)
大島徹也(多摩美術大学)
村上博哉(武蔵野美術大学)
オブザーバー
山梨俊夫(事務局) 
大越久子(事務局)
小林豊子(事務局) 
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