教育普及研究部会

日時
2021年11月25日(木)
13:00~16:50
場所
長野県立美術館 地下1階ホール

第56回教育普及研究部会会合報告

 教育普及研究部会では、毎年2回の会合を開催し、外部専門家による講演や教育普及活動事例の紹介、グループディスカッションなどを行っているが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く社会状況を鑑み、前年度の会合は全てオンライン形式で実施した。令和3(2021)年度は引き続き感染状況を注視しながら、部会員にアンケートを行うなどして慎重に検討を重ねたうえで、約1年9か月ぶりに対面形式で会合を開催することを決定した。
 会場となったのは、2021年4月にグランドオープンした長野県立美術館で、同館のご厚意により、講演会やワークショップ、展覧会など多目的に使用することができる地下1階のホールをお貸しいただき、「長野県立美術館の学び・交流プログラムについて」と題して約4時間のプログラムを行った。
 会合ではまず、長野県立美術館の松本透館長より、「ランドスケープ・ミュージアム」を基本コンセプトに、高低差10mの傾斜地をいかして建てられた新しい美術館の魅力と、人と人が出会い、学び合う場を目指す長野県立美術館が重視する、教育普及の役割についてお話しいただいた。
 続いて、同館の青山由貴枝氏から、教育普及の三つの柱として掲げている「学び」・「交流」プログラムと、「インクルーシブ・プロジェクト」について詳しく説明いただき、その後2組に分かれて施設内を見学した。開催当日は天候にも恵まれ、周囲の美しい山並みと善光寺を一望しながら、長野県立美術館が掲げる「ランドスケープ・ミュージアム」を実感する施設見学となった。
 見学の後は地下1階ホールに戻り、インクルーシブ・プロジェクトの一環として開発された「ひらくツール」を実際に触りながら、4~5人のグループでディスカッションを行った。討議の前半は、「ひらくツール」の活用方法や事業展開に関するアイデアを出し合い、後半は各館でのインクルーシブの取り組みや、実施するうえでの課題について意見を交わした。
 最後に、各グループのディスカッションで出たアイデアや意見を発表して参加者間で共有し、約4時間の会合は終了した。今回は日帰り出張でも参加できるように各プログラムの時間配分を短めにしたが、ツールを触りながら討議したり、休憩時間に参加者同士で情報交換をしたりと、対面形式ならではの活動を再開できたことは、幹事として感慨深かった。
 また、会合に参加できなかった会員が後日視聴できるよう、会合の様子を記録した動画を、動画共有サービスVimeoを利用して教育普及研究部会の会員に限定公開した。これはオンライン形式で会合を開催するようになってから定着した情報共有の手段だが、対面形式の会合においても、より多くの会員に開催記録を手早く伝えられる有効な方法なので、オンラインや対面などの開催形式を問わずに、今後も動画での情報共有を継続していきたいと考えている。
(報告者:教育普及研究部会幹事/国立新美術館 吉澤菜摘)

出席者:名

部会員20名、オブザーバー6名、事務局2名
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