保存研究部会

日時
2021年11月26日(金)
場所
オンライン開催
ホスト館:国立西洋美術館

第55回保存研究部会会合報告

内 容

11月26日(金)
13:30~13:50 開会の挨拶など
         木本文平新部会長(碧南市藤井達吉現代美術館長)
         村田眞宏前部会長(豊田市文化財課博物館準備室参与)

13:55~16:00 参加各館による発表と質疑応答「館内の日常メンテナンスと新型コロナウイル
         ス対策」         
 キックオフ・プレゼンテーションとして、今回のオンライン会合のホストを務めていただいた国立西洋美術館の邊牟木尚美さんと高嶋美穂さんから、屋外彫刻を含む、所蔵作品の日常メンテナンスのほか、新型コロナウイルス感染拡大以後の諸対応として、GPSトラッカーを使用したクーリエ随行なしの作品の貸出・返却や、シーズニング期間の延長などの事例をご紹介いただきました。
 続いて、会合参加9館の部会員による発表では、コロナ対策関連の話題が多く、来館者出入口の制限や受付への消毒液、体温測定器の設置といった、基本的な感染拡大防止対策のほか、展覧会や講演会、ワークショップ等のイベント実施にあたって、参加人数の制限や空気清浄機・サーキュレーターの設置、事前申込み制の導入、解説会のレクチャースタイルへの変更、あるいはSNSでギャラリートークをライブ配信するといった、それぞれの館での工夫と取り組みについて報告がありました。
 コロナ以降の美術館業務の変化についての話題で、特に興味深く思われたのは、国内外への作品貸出対応でした。海外の美術館では、今後作品の貸出条件にクーリエ随行を含まないようにするという話もあり、ZoomやメッセージアプリWhatsAppのチャットを使用して作品の状態確認などを行う「リモートクーリエ」の実践と、そのメリットデメリットについての事例紹介は、オンライン対応が「コロナ以後」のスタンダードになるという可能性を考えると、とても参考になるものでした。 
 なお、オンラインでの会合開催については、昨年度、対面での会合が実現せず、今年度も引き続き、コロナ収束の見込みが立たないことから、事前に部会員にアンケートを実施し、回答者のうちの89%が開催を希望するという結果を受けたものでした。初めての試みのため、開催前には不安もありましたが、改めて情報交換や館同士の横のつながりの重要性を実感する貴重な機会となりました。

16:15~16:30 事務連絡
 ・全国美術館会議HPの閲覧制限の緩和と、機関紙『zenbi』への投稿資格に関する、広報委員会
  からの提案について、追ってメーリングリストでの意見の取りまとめを行います。
 ・川崎市民ミュージアムのレスキュー活動は、予定どおり11月22日から再開しています。可能
  な範囲でのご協力をお願いします。最新の作業内容や作業環境については、全国美術館会議
  HPで紹介しています(事務局より)。
 ・次回会合は、2022年2月に福岡市美術館にて、対面での開催を予定しています。
(報告者:岩手県立美術館 盛本直美)

出席者

部会員14名、オブザーバー5名、事務局1名

 
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