学芸員研修会

日時
2022年3月10日 - 2022年3月10日
場所
オンライン開催
三重県立美術館(ホスト館)
主催
全国美術館会議(担当:地域美術研究部会)

第36回学芸員研修会

テーマ:

テーマ: 「なぜいま、地域美術を研究するのか―「地方」への視点と地域美術研究の実践例」
日 時: 令和4年3月10日(木)13:15~17:00 
開催形式:オンライン開催
主 催: 一般社団法人全国美術館会議(企画担当:地域美術研究部会)

開催趣旨

 地域美術研究部会は、2014年の第28回学芸員研修会「地域からの視点―美術史の再構築に向けて」における提案を受けて発足した、最も新しい部会です。
 地域の美術史や美術作品を調査・研究し、次世代に受け継いでいくことは、美術館の基礎的で重要な活動といえますが、そもそも「地域美術」とは何でしょうか。
 例えば過去の美術雑誌に連載された県別の「美術風土記」などに眼を通すと、その地域にどういった美術団体がありどんな展覧会をしていたのか、どういった美術教育者がいたのか、どんなパトロンやコレクターがいたのか、その地に旅してきた美術家は、といったことに広く言及しているものもあれば、その地域出身の美術家を列挙していくことに終始したもの、地域に埋もれてしまった知られざる美術家を紹介することに力を入れているものなど、書きようは様々です。書き手は皆それぞれの地域の美術館学芸員や美術史研究者で、人によって「地域美術」の考え方や、重きを置いているポイントが異なっていることがわかります。
 とはいえ、作品ありきの美術館にとって、まずその地域出身の美術家の作品を収集するという方針は、ある程度共通するものでしょう。しかし、作品を収蔵するだけで充実した展示が出来るわけではありません。その美術家がどこで誰に学び、どのようなネットワークのなかにあるのか、そうしたことを調べていくうちに、思いもよらない他の美術家、他の地域美術との繋がりがわかり、それを展示構成や作品解説に反映させていく、といった経験は、学芸員なら誰しも日常的にあるのではないでしょうか。
 近年、国内の多くの美術館では、自館のコレクションを活かせる特別展を企画していく、あるいは常設展示をより魅力的なものにしていくといった方向に舵が切られつつありましたが、出口の見えないコロナ禍がそれに拍車をかけました。海外からの借用に制限がかかり、国内でも遠方に足を運んだり、コレクターや作家と接触したりするような調査が充分に出来ない状況が続くなかで、私たちは今まで以上に国内のコレクションと向き合っていかなければならない局面に立たされています。
 国内の美術館のコレクションを最大限に活用していくためにも、いま地域美術研究の必要性は高まっているのではないでしょうか。このたびの学芸員研修会では、大学・美術館、それぞれの現場で地域美術研究を実践してきた三氏の講演をもとにパネルディスカッションも交え、コロナ禍の現在に、改めて地域美術を研究する意義や課題について考える機会とするものです。

プログラム

12:45       受付(Zoomミーティングルーム入室・通信状況確認)
13:15~13:30 開会挨拶 雪山行二(富山県美術館長、全国美術館会議企画委員長)
         趣旨説明 速水 豊(三重県立美術館長、地域美術研究部会長)
         地域美術研究部会の成立経緯と意図
              山梨俊夫(大阪市博物館機構理事、全国美術館会議事務局長)
13:30~14:20 講演1 近現代日本美術史のなかの県展
          ・田中修二(大分大学教育学部教授)
14:20~15:10 講演2 「九州洋画」を探して―地域の文化・社会的土台と近代洋画
          ・佐々木奈美子(久留米市美術館学芸課長補佐兼係長)
15:10~15:20 休憩
15:20~16:10 講演3 いわきの美術と炭鉱
          ・杉浦友治(いわき市立美術館長)
16:10~16:15 休憩
16:15~16:55 パネルディスカッション、質疑応答
          ・田中修二、佐々木奈美子、杉浦友治、速水豊
16:55~17:00 閉会挨拶 速水 豊(三重県立美術館長、地域美術研究部会長)
17:00      配信終了

参加申込方法・お問合せ先

※参加申込はこちら↓↓↓
 Googleフォーム https://forms.gle/dfqLPryb54TCWNS59
※申込締切:令和4年3月4日(金)
※お問合せ先:全国美術館会議事務局
       E-mail:info(a)zenbi.jp[(a)を@に変更してください]
※ZoomミーティングURLは、3月8日(火)に参加申込記載のメールアドレス宛にお知らせいたします。
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