小規模館研究部会過去の活動

日時
2024年11月20日(水) ~2024年11月21日(木)
20日(水)13:00~17:30、21日(木)9:30~17:00
場所
市民交流施設高田城址公園オーレンプラザ
研修室

第57回小規模館研究部会会合報告

1日目 研修会:「コレクションと企画展」

 美術館にとって「収集」と「公開」は美術館業務の根幹をなすものであり、各館でそれぞれ特色のある作品収集活動やさまざまな企画展の開催を行っていることから、改めて作品収集と企画展の関係性について考えるというものである。
 今回は小林古径記念美術館、新潟県立近代美術館、雪梁舎美術館、北方文化博物館の4館の事例発表を行い、成り立ちや運営母体の異なる新潟県内の公立・私立の美術館・博物館からの発表を基に、参加各館と情報交換を行った。  
 事例発表① 「小林古径記念美術館の作品収集と企画展の開催」
                     小林古径記念美術館館長 笹川修一
 事例発表② 「コレクションと企画展」  雪梁舎美術館理事長 捧 実穂
 事例発表③ 「北方文化博物館の原点/大地主伊藤家の第1次、第2次コレクション成立による
        展示の諸相」       北方文化博物館副館長 佐藤隆男
 事例発表④ 「コレクションと企画展 新潟県立近代美術館の場合」
                     新潟県立近代美術館学芸課長 松矢国憲
 質疑応答、意見交換

・小林古径記念美術館では「小林古径と上越市ゆ
 かりの作家」を作品収集の方針とし、コレクシ
 ョンを活用した企画展の開催を行っている。
・雪梁舎美術館では「新潟県ゆかりの作家に加え
 て、良寛、マイセン、シャガール」を収集の中
 心に据えて公開している。あわせて「育成」を
 美術館運営に取り組んだ公募展を開催してい
 る。
・北方文化博物館は歴史のある博物館であり、個
 人のコレクションによる古美術品を収集して公開している。戦後の一時期には、当時の社会情勢
 も関係しているが、国立博物館との共催による企画展も開催していた実績がある。
・新潟県立近代美術館は新潟県美術博物館時代から作品を収集していたが、大光コレクションの収
 集を機に新潟県立近代美術館を設立した。「日本の美術」「世界の美術」「新潟の美術」を収集
 の柱に据えながらコレクションを常設展示室で公開しているほか、個人のコレクションも加えな
 がら収集活動を行っている。あわせて新潟県内の状況を俯瞰し、現状の課題などについての発表
 があった。

2日目 第57回会合/視察

1 令和7年度幹事館交代について
  幹事館の交代については、今年度副幹事館であった有島記念館(東日本ブロック)が主幹事と
 なり、今年度に引き続き入江泰吉記念奈良市写真美術館(西日本ブロック)が副幹事となった。
 また、中部ブロックの幹事については調整し選出することとした。
  小規模館研究部会は加盟館を
 3つのブロックに分けており、
 各ブロックから幹事を輪番制で
 選出している。部会員からは
 「様々な事情もあり、幹事を受
 けられない館もあるため、既に
 幹事を務めた館も再度幹事を引
 き受けていただきたい」などの
 意見が出された。  
2 令和7年度の活動計画について
  次年度主幹事となる有島記念
 館(北海道ニセコ町)から令和7年度の会合・研修会の計画案について説明が行われた。部会員
 からの意見を反映し、できるだけ参加しやすい日程を再検討して年内を目途に提案することとな
 った。
3 第40回学芸員研修会について
  令和7年度に担当する第40回全国美術館会議学芸員研修会の実施に向けて、令和5年度から継
 続的に企画内容を検討している。部会の中から実行委員を選出し、実行委員での提案を基にして
 部会で協議しており、本会合においても具体的な実施案作成に向けて検討を進めた。
 ⑴ 研修テーマ
   小規模館の特性として「地域に根差した」「地域密着」の運営を行っている美術館が多く、
  「地域社会とのつながり」を行うことが小規模館の果たす役割の一つであると考えられること
  から、「地域社会と美術館」をテーマとする。
 ⑵ 日程と会場
   日程は令和8年2月下旬、会場は鎌倉市内で開催することで検討を進める。
 ⑶ 構成
   これまで当部会で行ってきた研修テーマを基に、「①地域住民との協働」「②観光に関する
  取り組み」「③作家顕彰と美術館」「④他分野との連携」の事例発表を行い、参加者によるグ
  ループ討議によって今後の美術館運営を探るものとする。
  上記の協議結果をふまえて、実行委員でさらに具体化を進めていくこととした。
4 その他
  各館の近況報告等を行った。
  
周辺施設の視察
 ・小林古径記念美術館
 ・上越市立歴史博物館
 ・高田城三重櫓
 ・小川未明文学館(右図)




(報告者 小林古径記念美術館 笹川修一)

出席者:28名

加盟館19館27名、事務局1名
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