全国美術館会議の文化財レスキュー事業について(現況報告と参加のお願い)

 現在、全国美術館会議では以下の2件の文化財レスキュー事業に取り組んでいます。

1.令和6年能登半島地震の文化財レスキュー事業について

 金沢と能登半島を結ぶ「のと里山海道」と「能越自動車道」が、7月17日の正午からほぼすべての区間で対面通行可能となり、現地へ向かうバスも復旧するなど、少しずつ能登へのアクセスは改善されています。そのため、これまでの救援活動は、「月曜日に金沢集合、当該週の救援チームはレンタカーに同乗して現地に移動。能登現地本部近くの借り上げ宿泊施設に滞在。金曜日に作業を終え金沢にて解散」という5日間フル参加を原則としていましたが、今後は連続する3日~5日間の参加が可能となりました(月曜日が祝日や振替休日の週は火曜日スタート、お盆時期は通常通り活動を実施します)。
 能登半島地震被災文化財等救援委員会現地本部の発表では、寺社や個人からの救援要請件数は6月24日現在で197件、完了件数は43件との報告を受けています。被害が大きく、まだ全容が把握できていない市町もあることから、まだ要請件数は増えることが予想されます。
 現在の活動は、作業の安全が確保できた建物から歴史資料などを運び出し一時保管施設に輸送すること、保管された資料を整理し記録することが主な内容で、丁寧に資料を扱うという以外に特殊な技術は必要とされておらず、学芸員以外の館職員の方々も参加可能な内容となっています。
 なお本事業は、全国美術館会議が参画している文化遺産防災ネットワーク推進会議を通じて行われており、救援にかかる旅費および(必要とされる場合の)保険料は救援委員会から支出されます。本救援事業に対する予算措置は今年度末まで確保されています。6月28日時点で14名の会員館職員が現地救援活動に参加されました。
 参加登録を検討いただける方は全国美術館会議事務局までお申し込みください。ご登録後、本活動についての具体的な情報をお届けします。

参加登録方法

2.川崎市市民ミュージアムについて

 4月1日に「川崎市市民ミュージアム被災収蔵品のレスキュー作業について(現況報告とお願い)」でお伝えしましたとおり、令和元年東日本台風により多数被災した同館の収蔵品は、現在も川崎市麻生区内の施設にて応急処置作業が行われています。
 本事業は専門家による指導のもと、被災した紙資料の安定化を図る処置を行います。研修ともなり得る内容で、各館が災害に強くなるためのスキルを養う場としても有効です。
 現在、美術館部門の作業日が月、火、水曜日、博物館部門が木、金、土曜日となっておりますが、歴史資料などを取り扱っている会員館は、博物館部門の参加も可能となっています。
 本活動にかかる交通費と宿泊費は、川崎市が負担し、全国美術館会議を通して支払われます。近郊の会員は1日単位での参加も可能ですが、遠方から活動に参加される方はなるべく連続した2日間以上の参加をお願いします。

救援活動登録票(Word:20.2KB)(←をダウンロード)

お問合せ先

全国美術館会議事務局
ファクス:03-6272-8558
電子メール:info(a)zenbi.jp [(a)を@に変更してください]
Copyright © 2011 The Japanese Council of Art Museums All Rights Reserved.