第39回教育普及研究部会会合報告
本年度2回目の会合は、雪の積もる福島での開催となった。その内容は、来年度から新たに幹事となる名古屋市美術館の清家三智さんの紹介に始まり、福島県立美術館館長酒井哲朗さんへのインタビュー、そして震災後の福島県下の主に教育普及活動を中心とした美術館の活動状況について3つの館から話をうかがう、というものであった。
なお、幹事の完全な交代は2013年度に持ち越しとし、2012年度は現幹事に清家さんを加えた3人で幹事を務める。
さて、その詳細であるが、まず1日目は、新幹事の紹介後、酒井さんへのインタビューを行った。これは、2008年の目黒区美術館でのフォーラム・連続公開インタビュー「美術館ワークショップの再確認と再考察―草創期を振り返る」からの継続して行っている美術館教育普及の草創期担当者へのインタビューの一環であり、聞き手は、現幹事の山口県立美術館の前田淳子さんと、大原美術館の私・鬼本が務めた。酒井さんは、現在も非常に先駆的な教育普及活動を実践している宮城県美術館の最初の教育部長を務められた。その学芸員のキャリアのスタートは、1969年に和歌山県立美術館(現和歌山県立近代美術館の前身)であったが、同館は、当時、常設展示がなく、また所蔵作品も十全ではないという状況で、そのかわりに友の会主催の実技講座や鑑賞講座を盛んに行っていたとのこと。インタビューでは、その経験が、「美術館でしかできない」しかし、「教養主義的ではない」宮城県美術館の教育活動の方向づけたようにうかがえた。いずれこのインタビュー内容は、何らかの形で文章化したいと考えている。
なお、幹事の完全な交代は2013年度に持ち越しとし、2012年度は現幹事に清家さんを加えた3人で幹事を務める。
さて、その詳細であるが、まず1日目は、新幹事の紹介後、酒井さんへのインタビューを行った。これは、2008年の目黒区美術館でのフォーラム・連続公開インタビュー「美術館ワークショップの再確認と再考察―草創期を振り返る」からの継続して行っている美術館教育普及の草創期担当者へのインタビューの一環であり、聞き手は、現幹事の山口県立美術館の前田淳子さんと、大原美術館の私・鬼本が務めた。酒井さんは、現在も非常に先駆的な教育普及活動を実践している宮城県美術館の最初の教育部長を務められた。その学芸員のキャリアのスタートは、1969年に和歌山県立美術館(現和歌山県立近代美術館の前身)であったが、同館は、当時、常設展示がなく、また所蔵作品も十全ではないという状況で、そのかわりに友の会主催の実技講座や鑑賞講座を盛んに行っていたとのこと。インタビューでは、その経験が、「美術館でしかできない」しかし、「教養主義的ではない」宮城県美術館の教育活動の方向づけたようにうかがえた。いずれこのインタビュー内容は、何らかの形で文章化したいと考えている。
3館の話を聞き終え、我々もまた、普段やっている活動や美術館そのものの存在がどういう意味があるのかを考えさせられた。震災後1年もたたず、未だ放射能の問題などもある状況で、はたして福島で会合を開き、震災後の活動を聞くことは県下の人々の心情も考え、妥当か否か、という葛藤がなかったわけではないが、結果としては参加者にとって非常に意味ある会合になったように思う。
(報告者 大原美術館 鬼本佳代子)
(報告者 大原美術館 鬼本佳代子)
出席人数
会員13名
オブザーバー9名
オブザーバー9名