保存研究部会過去の活動

日時
2012年7月12日(木) ~2012年7月13日(金)
場所
東京都写真美術館、神奈川県立近代美術館

第42回保存研究部会会合報告

東京都写真美術館の収蔵庫見学

・保存科学専門員の山口孝子さんの案内で2階収蔵庫A、B、
 Cを見学。
・スペースの関係上2組に分かれる。
・庫内温度を作業や収蔵品の素材等により、20℃→10℃→
 5℃と部屋ごとに管理。
・マウントや中性紙箱等を使用した資料の保存方法の説明を
 受ける。

レクチャー

講師:東京都写真美術館 学芸員 三井圭司氏
「陸前高田被災写真デジタル化プロジェクトの概要」 
・本プロジェクトの発足経緯から運用の現状につ
 いてご説明いただく。
・三井さんのほか、東京工芸大学や東京綜合写真
 専門学校等の機関及びボランティアメンバーで
 運営されている。
・資料の救出洗浄の後は、本年度はデジタル化作
 業及び告知活動またドキュメントの制作等を進
 めていく計画。

「東日本大震災被災施設の状況調査について」榎本会長より

・本調査の準備を保存研究部会が中心となり全美事務局、復興対策委員会と進めていくことにな
 る。
・阪神淡路の際携わっていた田中さんが当時の流れをまとめた資料をもとに今後の流れを検討。
・今回は広範囲にまたがるので、被災県を中心に準備委員をお願いする。
・全美事務局と共同で準備委員会を8月上旬に開催し、10~11月には調査に入れるよう準備を進め
 る必要がある。
・準備委員候補として
 村上氏(事務局:西美)、貝塚氏(ブリヂストン美術館・阪神調査経験者)、
 浜田氏(和歌山近美)、村田氏(愛知県美)、田中氏(三重県美)、根本氏(岩手県美)、
 大嶋氏(宮城県美)、堀氏(福島県美)、鈴木氏(郡山市美)、相澤氏(兵庫県美)、
 影山氏(高知県美)。
・全美事務局には派遣依頼書と旅費負担をお願いしたい。 

「大災害時における対策等に関する要綱」について

 東日本の調査が終わってから改定検討をすすめてはどうか、またブロック館のほかに遠隔県との協定もいるのではないかとの意見が出た。 

情報交換会

18:00より恵比寿ビアステーションにて、にぎやかに開催。 

神奈川県立近代美術館・葉山館のバックヤードツアー(伊藤さん)

荷降室、電気室、収蔵庫、一時保管庫、修復工房をご案内いただく。
工房には、修復中の石巻の被災作品が並んでいた
 

「コンディションチェックシートについて」(三重県美 田中善明さん)

 工芸担当の佐野さんが欠席のため、田中さんが用意してくださっていた洋画のコンディションチェックシートを中心に意見交換。
・会合での意見を取りまとめて改定したものを各部会員に送るので実際使ってみて修正を加えてい
 く。
・特に修正や意見がない場合でも、必ず田中さん宛に確認済みの返信を送ること。
・洋画ということだが、平面全般でも使えるイメージ。
・ただ、日本画は形状が特殊なので、別途堀さんが作成予定。写真も特殊なチェックかと思われる
 ので、新たに会員となられる都写美の三井さんにお願いできないか。
・このほか、国立国際の植松さんより、映像を使ったものや、複雑に素材が混在するインスタレー
 ション等のチェックはどのようにおこなったらよいか、また寄贈・購入時にはどのような確認書
 をとれば良いか(特に再現メディアの変更が想定される映像)等の問いかけもあり、今後の検討
 テーマとしてなりそう。

事務連絡等

 本年度も事務局より活動金20万円の予算を付けていただいた。必要なものがあれば提案いただきたい。
 とりあえず、作品の取り扱いを示した初の書籍「博物館資料取り扱いハンドブック」を部会員各館に1冊と部会用に1冊購入することとで了承。
・大嶋さんより、レスキューされた被災作品の現存作家が、作品は今後どういう扱いとなるのかと
 の質問を受けたが、どう答えたらよいかとの意見あり。
・保存研究部会ではお答えしかねるので、全美事務局に問い合わせてほしい。
・森園さんより、計画停電の際、各館どのような対応を想定しているか質問あり。メール等で情報
 交換をしましょう。 

出席者

出席者14名、オブザーバー2名、事務局1名
 
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