教育普及研究部会過去の活動

日時
2010年3月23日(火) ~2010年3月24日(水)
場所
東京国立近代美術館および三鷹天命反転住宅

第36回教育普及研究部会会合報告

内容

今回の教育普及研究部会会合は、1日目は全国造形教育連盟の活動について、委員長で都内中学校の校長でもある永関和雄氏および同連盟の美術館部会設立担当者で武蔵野美術大学の三澤一実氏から、同連盟の活動についてお話しいただいた。同連盟は、造形に関わる、保育士から大学教授までの非常に幅広い教員が加盟する日本で唯一の団体で、これまで主に学校団体で構成されていたメンバーに、美術館も加盟できるようになった。以前から、学校と美術館との今後の連携を深めるために、ERGのメンバーと情報交換をしたいとのご希望をいただいていたので、この機会にお話しいただいた。1日目後半は、2009年末から2010年3月までの間に、各地で開かれた教育普及関連のシンポジウムについて、主催者側あるいは参加者から報告してもらった。報告シンポジウムと報告者は以下の通り。
○ミュージアム・エデュケーション21
 会期:1月16日・17日 主催/金沢21世紀美術館 (報告:金沢21世紀美術館 平林 恵)
○東京国立博物館 教育普及国際シンポジウム「伝統文化を伝えるために博物館ができること」
 会期:1月17日 主催/東京国立博物館 (報告:東京国立博物館 藤田千織)
○第4回21世紀ミュージアム・サミット「100人で語る美術館の未来 ~作品と人をつなぐ回路の設計にむけて~」
 2月27日・28日 主催/日本経済新聞社、神奈川県(報告:東京国立近代美術館 一條彰子)
○連続レクチャー「美術館と美術教育」
 2月27日・28日 主催/高知県立美術館 (報告:高知県立美術館 河村章代)
その後、昨年12月に教育普及研究部会および京都造形芸術大学主催のフォーラムの反省と今後フォーラムを続けていくにあたってどうすべきか話し合った。会場からは、「もっと調査に時間をかけるべきではなかったか」「インタビューなど『人の話を聞く』スキルを身につける研修が、まずあったほうがいい」等の意見がでた。このときにでた意見は今後の検討課題とすることとし、この日は閉会した。
2日目は、目黒区美術館のエデュケーター榎本寿紀氏のワークショップを体験した。ワークショップの実施場所は、荒川修作とマドリン・ギンズが手掛けた三鷹天命反転住宅。ここは賃貸住宅だが、床が水平でなくでこぼこであったり、天井が斜めになっていたり、完全球体の部屋があったりと非常にユニークな作りになっている。ここで、身体感覚を研ぎ澄ますようなワークショップを行った。普段、教育普及担当者が、他館の教育普及担当者の活動を体験するということはほとんどないため、このワークショップの体験は、参加者にとって非常に刺激的であり、特に若手の部会員には良い経験になったようだった。
Copyright © 2011 The Japanese Council of Art Museums All Rights Reserved.