学芸員研修会報告書

日時
2019年12月9日 - 2019年12月10日
場所
リアス・アーク美術館、サンマリン気仙沼ホテル観洋、震災遺構施設(旧気仙沼向洋高校、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館)
企画
全国美術館会議 担当:小規模館研究部会

第34回学芸員研修会

テーマ:「大規模災害被災地における学芸員の役割を知る」
日 時:2019年12月9日(月)、10日(火)
会 場:リアス・アーク美術館、サンマリン気仙沼ホテル観洋、震災遺構施設(※希望者のみ)
企 画:全国美術館会議 小規模館研究部会

開催趣旨

 自館が所在する地域における大規模災害を想定し、災害後に求められる学芸員の社会的役割を知り、そのために必要なスキルアップ(心構え)を行うための研修。
 大規模災害被災地に所在する博物館・美術館が果たすべき役割、学芸員が果たすべき役割を、東日本大震災以降の気仙沼市とリアス・アーク美術館の活動を参考とし多角的に学ぶ。具体的な事例を講師陣から示していただきつつ、成果物としてのリアス・アーク美術館常設展示、震災遺構施設の視察等を行う。また大規模災害の現場(被災社会)を知る機会、さらに、東日本大震災被災地のその後と現状を知る機会ともなる。

プログラム

【1日目】12月9日(月)
 13:00~     受付(会場:リアス・アーク美術館)
 13:30~15:00 リアス・アーク美術館視察
 15:10~15:20 開会~挨拶等オープニング
 15:30~16:30 基調講演「大規模災害被災地における学芸員の役割を知る」
 16:40~18:20 パネルディスカッション
              「現場からの声・被災社会が博物館学芸員に求めること」
           (基調講演講師も加わり、大規模災害発生時に求められる博物館と学芸員の
           役割についてディスカッションを行う。)
 18:30~18:50 情報交換会会場へ移動
 19:00~20:30 情報交換会

【2日目】12月10日(火)
  9:00~      受付(会場:サンマリン気仙沼ホテル観洋)
  9:30~11:50  全体での意見交換
          (前日の内容を受けての質疑応答、ディスカッション。講師全員参加)
 12:00~13:00 昼食
 13:00~16:30 震災遺構施設ほかの視察(希望者のみ。貸切バス使用)
 17:00      解散(気仙沼駅)

備考

1.【1日目】について(講師等紹介)
 (1) 基調講演「大規模災害被災地における学芸員の役割を知る」(仮題)
   ▶川島秀一氏:民俗学者・東北大学災害科学国際研究所シニア研究員、2011年当時リア
    ス・アーク美術館副館長。
    ・文化財レスキューから復旧、復興事業、防災・減災学習、災害伝承(遺構保存)に至る
     現状と課題、その一連のミッション遂行に果たす学芸員、研究者の役割、自身の経験に
     ついて
 (2) パネルディスカッション「現場からの声・被災社会が博物館学芸員に求めること」
   ▶ファシリテーター:山内宏泰氏(リアス・アーク美術館副館長/学芸員)
   ▶槻橋 修氏:神戸大学大学院工学研究科建築学専攻准教授・ティーハウス建築設計事務所
    主宰。建築家。
    ・まちづくりと地域博物館、博物館学芸員の関係について
   ▶尾形庄衛氏:気仙沼市震災復興・企画部震災復興・企画課震災復興・総合企画係係長。
          気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館設置担当者。
   ・復旧、復興事業と地域博物館、博物館学芸員の関係について
   ▶基本的に、参加者は聴講とし、1日目の基調講演並びにパネルディスカッションを通して
     質問、意見などを集約し、2日目の午前中にその内容に基づいた意見交換会を講師陣とと
     もに行う。

2.【2日目】研修終了後の震災遺構施設の視察について(希望者のみ)
   視察先は、気仙沼市が東日本大震災による震災遺構として保存を決定、付帯施設を設け
  2019年3月10日より一般公開している「旧気仙沼向洋高校校舎と付帯展示施設」=「気仙
  沼市東日本大震災遺構・伝承館」
   同施設の設置に当たり、気仙沼市遺構保存検討委員会が設置され、リアス・アーク美術館・
  山内宏泰氏が委員を務めた。また、保存の具体的方針や付帯施設の設計、同施設内の展示に
  ついて、同氏が展示アドバイザーを務めていることから、単に遺構施設の視察という意味を
  越え、本研修が目的とすることの具体的事例として視察の意義がある。
   なお、同施設の設置には本研修会講師陣も深く関わっている。
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