美術館運営研究部会過去の活動

日時
2013年5月31日(金)
10:00~12:00
場所
栃木県立美術館 会議室

第18回美術館運営制度研究部会会合報告

内 容

議題: 全国美術館会議による「美術館倫理規定」ないし「美術館関係者の行動規範」の制定

1. 倫理規定/行動規範の制定の必要性の有無:
  ICOMが1991年に“Code of Ethics for Museums”(博物館倫理規定)を制定し(2004年改
 訂)、その後、日博協がそれを参考にしつつ、2012年に「博物館の原則 博物館関係者の行動
 規範」を制定した。これらの動きを受けて、全美としても独自の倫理規定/行動規範を制定する
 必要があるか否かの議論が当部会でこれまでなされてきた。今回、出席者各自がICOMの倫理規
 定及び日博協の行動規範を読み直してきた上で、再度部会として検討を行った。
  「美術館を含む日本の各種館園を対象とした日博協のものがすでにあるのだから、全美独自の
 ものを新たに作るよりも、日博協のものを美術館関係者に周知することの方が重要ではないか」
 「やはり日本の美術館の条件や状況に即した独自のものがあった方がよい」といったさまざまな
 意見が交わされたのち、「必要」という結論に至った。

2. 全美独自の倫理規定/行動規範の制定目的:
  「日本の美術館及び美術館関係者に対して全美として基準ないし指針を示すことで、美術館活
 動の向上に役立ててもらいたい」、「美術館の理念やあり方を提示し、それを社会において広く
 理解・認知してもらうことで、美術館活動の支えとなるようなものにしたい」、「美術館の未来
 像を描く際の拠り所にもなるようなものであったら」といった意見が出された。それらの視点を
 持って、制定に取り組んでいく。
  なお、全美独自の倫理規定/行動規範の制定後は、各館独自の条件や状況に即した倫理規定/
 行動規範も、全美のものに基づいて将来的に各館で個々に制定し、全美独自のものと各館独自の
 ものを併せて活用していくことも、各館には考えていっていただきたい。

3. 全美独自の倫理規定/行動規範の形式と内容:
  主として日博協の「博物館の原則 博物館関係者の行動規範」を参考にしつつ、美術館とは関
 係のない事柄を省いたり、美術館特有の問題として補足したり新規に設定したりする必要のある
 事柄を加える等して、全美独自の倫理規定/行動規範を制定していくことに、部会としてひとま
 ず方向が定まった。その際、全美の「美術館基準(案)検討会」によって2001年に作成された
 「博物館法検討委員会中間報告 美術館基準(案)に対する提案 日本の美術館の指針(案)」
 も活用していく。

4. 会員館へのアンケート調査:
  全美独自の倫理規定/行動規範の部会案作成に先立って、各会員館にアンケート調査を行い、
 全体的な方向性についての意見や検討すべき個々の事項等を募る。    

次回の部会

 2013年8月頃、国立西洋美術館か愛知県美術館で開催予定。
 会員館へのアンケートの形式と内容を最終検討して確定し、発送を完了させる。

出席者

山梨俊夫(部会長:国立国際美術館)
大島徹也(幹事:愛知県美術館)
村上博哉(国立西洋美術館)
雪山行二(富山県立近代美術館)
前田忠史(茅野市美術館)

オブザーバー
江藤祐子(三菱一号館美術館)
不動美里(姫路市立美術館)
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