平成25年度第1回理事会
議 事
1. 審議事項
議案第1号 平成24年度事業報告並びに収支決算について
議案第2号 平成25年度事業計画(案)並びに収支予算(案)について
議案第3号 新規入会申込会員館の審査及び退会館について
議案第4号 新役員候補者の選任について
議案第5号 企画委員の退任及び選任について
議案第6号 東日本大震災復興対策事業の採択について
議案第7号 日本博物館協会「福島県警戒区域の再興を担う博物館の復興・再生に向けて
(提言)」について
議案第8号 機関誌『ZENBI』の広告掲載について
2. 報告事項
報告第1号 東日本大震災復興対策委員会の活動報告について
報告第2号 ICOM(International Council of Museums;国際博物館会議)大会の招致に
ついて
報告第3号 障害者の芸術文化振興議員連盟について
報告第4号 第63回総会について
議案第1号 平成24年度事業報告並びに収支決算について
議案第2号 平成25年度事業計画(案)並びに収支予算(案)について
議案第3号 新規入会申込会員館の審査及び退会館について
議案第4号 新役員候補者の選任について
議案第5号 企画委員の退任及び選任について
議案第6号 東日本大震災復興対策事業の採択について
議案第7号 日本博物館協会「福島県警戒区域の再興を担う博物館の復興・再生に向けて
(提言)」について
議案第8号 機関誌『ZENBI』の広告掲載について
2. 報告事項
報告第1号 東日本大震災復興対策委員会の活動報告について
報告第2号 ICOM(International Council of Museums;国際博物館会議)大会の招致に
ついて
報告第3号 障害者の芸術文化振興議員連盟について
報告第4号 第63回総会について
レポート
全国美術館会議平成25年度第1回理事会と第62回総会のレポート
平成25年5月30日に開かれた全国美術館会議の理事会と総会について、速報として報告いたします。
今年の理事会と総会は宇都宮美術館と栃木県立美術館を担当館として宇都宮市の宇都宮東武ホテルグランデを会場に開催されました。理事会には青柳会長、建畠・山脇両副会長のほか、15名の理事、2名の監事が出席し、事務局としては職員6名のほかに広報担当としてホームページ部会と機関誌部会の幹事が出席しました。
午前中の理事会では、まず審議事項として、平成24年度事業と収支決算、平成25年度事業計画案と収支予算案等の議案が審議を経て承認され、続いて新規入会を希望する美術館の審査、退会館の報告、そして役員及び企画委員の退任と選任がなされました。今回は新規会員館が多く、九州国立博物館、高浜市やきものの里かわら美術館、馬の博物館、ヤマザキマザック美術館、軽井沢ニューアートミュージアム、志賀高原ロマン美術館、小杉放庵記念日光美術館、実践女子学園香雪記念資料館、文化フォーラム春日井、アーツ前橋の10館が新たに入会を認められました。また今回で退任する山脇副会長に代わって、新たに理事として島田康寛神戸市立小磯良平記念美術館館長、情報・資料研究部会長に越智裕二郎広島県立美術館館長が選任されました。続いて東日本大震災復興対策事業の採択に関する報告と審議が行われ、さらに日本博物館協会によって提出された「福島県警戒区域の再興を担う博物館の復興・再生に向けて」という提言が紹介され、全国美術館会議もこの宣言に賛同する団体として名を連ねることが確認されました。最後に前回の理事会でも話題となった機関誌『ZENBI』について誌面に広告を掲載することと一部のミュージアムショップで一般に向けて販売することについて機関誌部会から具体的な提案がありました。これについては基本的に第5号から広告の掲載と一般販売を行うという方針は了承されましたが、実施の詳細については今後事務局と協議しながら進めることとなりました。
報告事項としては、まず東日本大震災復興対策委員会の活動報告が行われ、震災後2年が経過した現在も続けられているレスキュー事業や記録集の準備について報告がありました。続いて2019年のICOM(国際博物館会議)大会を日本に招致するべく、日本博物館協会に事務局を置くICOM大会招致検討委員会が今年3月27日にまとめた報告書について説明がありました。さらに今年4月24日に「障害者の芸術文化振興議員連盟」が超党派の議員によって設立されたことが報告され、最後に来年度の第63回総会が広島県立美術館を担当館として5月22日と23日に広島市で開かれることが報告されました。
午後の総会は、同じ宇都宮東武ホテルグランデを会場200名以上の出席者が参加しました。最初の栃木県知事(代理)と宇都宮市長の歓迎挨拶、文化庁長官の来賓挨拶の後、宇都宮美術館の谷新館長を議長として議事が進行しました。まず午前中の理事会の結果を受けて議案が協議され、昨年度の事業報告と収支決算、今年度の事業計画と収支予算、新規会員館の入会等が承認されました。続いて役員の改選となり、理事による別室の審議を経て、今期で退任する青柳会長に代わる新会長として建畠晢埼玉県立近代美術館館長、会長指名による副会長として山梨俊夫国立国際美術館館長、米田耕司長崎県美術館館長、徳川義崇徳川美術館館長(留任)の三氏が決まりました。また企画委員会委員長の高階秀爾大原美術館館長も今期で退任し、後任に雪山行二富山県立近代美術館館長が就任したことが報告されました。青柳前会長と建畠新会長の挨拶の後、報告事項として企画委員会と研究部会の昨年度の活動と今年度の活動予定が報告され、東日本大震災復興対策委員会の活動についても報告がありました。
総会終了後、引き続いて「復興の取り組みのなかで―全美による支援事業の意義と課題」と題して、全国美術館会議が行ってきた支援事業に関して特別セッションが開かれ、主として支援を受けた側の関係者からの報告がありました。全国美術館会議ではこれで続けて三年、総会終了後に東日本大震災のレスキュー活動をめぐる特別セッションを開いたことになります。この一事をもっても震災が日本の美術館に大きな打撃を与え、今日もその影響が続いていることは明らかでしょう。特別セッションでは岩手県立美術館、リアス・アーク美術館、宮城県立美術館、福島県立美術館、そして東京都写真美術館の関係者より震災に関して全国美術館会議及び関係する美術館が取り組んだ様々な復興支援事業の様子が紹介されました。震災後、被災された方々をケアする過程で美術館活動や美術作品が大きな役割を果たしたという報告は美術館に関わる者として大変大きな意義をもつように感じられました。その一方で震災から二年が経過するにもかかわらず、それぞれの地域でなおもその爪痕が残され、ことに今なお原発事故が収束していない福島県の事例報告は理事会に諮られた警戒区域での復興の問題とともに今後も継続的な支援の必要性を感じさせるものでした。
全体に時間が押していたにも関わらず、今回の特別セッションでは終了時間を延長して議論を深めることができました。美術館をめぐる状況が厳しさを増す中で、被災した美術館、原発事故の影響を受ける美術館に対する支援は息の長いものとならざるをえないでしょう。このような決意を新たにする意味でも充実した内容のセッションとなったように感じます。
平成25年5月30日に開かれた全国美術館会議の理事会と総会について、速報として報告いたします。
今年の理事会と総会は宇都宮美術館と栃木県立美術館を担当館として宇都宮市の宇都宮東武ホテルグランデを会場に開催されました。理事会には青柳会長、建畠・山脇両副会長のほか、15名の理事、2名の監事が出席し、事務局としては職員6名のほかに広報担当としてホームページ部会と機関誌部会の幹事が出席しました。
午前中の理事会では、まず審議事項として、平成24年度事業と収支決算、平成25年度事業計画案と収支予算案等の議案が審議を経て承認され、続いて新規入会を希望する美術館の審査、退会館の報告、そして役員及び企画委員の退任と選任がなされました。今回は新規会員館が多く、九州国立博物館、高浜市やきものの里かわら美術館、馬の博物館、ヤマザキマザック美術館、軽井沢ニューアートミュージアム、志賀高原ロマン美術館、小杉放庵記念日光美術館、実践女子学園香雪記念資料館、文化フォーラム春日井、アーツ前橋の10館が新たに入会を認められました。また今回で退任する山脇副会長に代わって、新たに理事として島田康寛神戸市立小磯良平記念美術館館長、情報・資料研究部会長に越智裕二郎広島県立美術館館長が選任されました。続いて東日本大震災復興対策事業の採択に関する報告と審議が行われ、さらに日本博物館協会によって提出された「福島県警戒区域の再興を担う博物館の復興・再生に向けて」という提言が紹介され、全国美術館会議もこの宣言に賛同する団体として名を連ねることが確認されました。最後に前回の理事会でも話題となった機関誌『ZENBI』について誌面に広告を掲載することと一部のミュージアムショップで一般に向けて販売することについて機関誌部会から具体的な提案がありました。これについては基本的に第5号から広告の掲載と一般販売を行うという方針は了承されましたが、実施の詳細については今後事務局と協議しながら進めることとなりました。
報告事項としては、まず東日本大震災復興対策委員会の活動報告が行われ、震災後2年が経過した現在も続けられているレスキュー事業や記録集の準備について報告がありました。続いて2019年のICOM(国際博物館会議)大会を日本に招致するべく、日本博物館協会に事務局を置くICOM大会招致検討委員会が今年3月27日にまとめた報告書について説明がありました。さらに今年4月24日に「障害者の芸術文化振興議員連盟」が超党派の議員によって設立されたことが報告され、最後に来年度の第63回総会が広島県立美術館を担当館として5月22日と23日に広島市で開かれることが報告されました。
午後の総会は、同じ宇都宮東武ホテルグランデを会場200名以上の出席者が参加しました。最初の栃木県知事(代理)と宇都宮市長の歓迎挨拶、文化庁長官の来賓挨拶の後、宇都宮美術館の谷新館長を議長として議事が進行しました。まず午前中の理事会の結果を受けて議案が協議され、昨年度の事業報告と収支決算、今年度の事業計画と収支予算、新規会員館の入会等が承認されました。続いて役員の改選となり、理事による別室の審議を経て、今期で退任する青柳会長に代わる新会長として建畠晢埼玉県立近代美術館館長、会長指名による副会長として山梨俊夫国立国際美術館館長、米田耕司長崎県美術館館長、徳川義崇徳川美術館館長(留任)の三氏が決まりました。また企画委員会委員長の高階秀爾大原美術館館長も今期で退任し、後任に雪山行二富山県立近代美術館館長が就任したことが報告されました。青柳前会長と建畠新会長の挨拶の後、報告事項として企画委員会と研究部会の昨年度の活動と今年度の活動予定が報告され、東日本大震災復興対策委員会の活動についても報告がありました。
総会終了後、引き続いて「復興の取り組みのなかで―全美による支援事業の意義と課題」と題して、全国美術館会議が行ってきた支援事業に関して特別セッションが開かれ、主として支援を受けた側の関係者からの報告がありました。全国美術館会議ではこれで続けて三年、総会終了後に東日本大震災のレスキュー活動をめぐる特別セッションを開いたことになります。この一事をもっても震災が日本の美術館に大きな打撃を与え、今日もその影響が続いていることは明らかでしょう。特別セッションでは岩手県立美術館、リアス・アーク美術館、宮城県立美術館、福島県立美術館、そして東京都写真美術館の関係者より震災に関して全国美術館会議及び関係する美術館が取り組んだ様々な復興支援事業の様子が紹介されました。震災後、被災された方々をケアする過程で美術館活動や美術作品が大きな役割を果たしたという報告は美術館に関わる者として大変大きな意義をもつように感じられました。その一方で震災から二年が経過するにもかかわらず、それぞれの地域でなおもその爪痕が残され、ことに今なお原発事故が収束していない福島県の事例報告は理事会に諮られた警戒区域での復興の問題とともに今後も継続的な支援の必要性を感じさせるものでした。
全体に時間が押していたにも関わらず、今回の特別セッションでは終了時間を延長して議論を深めることができました。美術館をめぐる状況が厳しさを増す中で、被災した美術館、原発事故の影響を受ける美術館に対する支援は息の長いものとならざるをえないでしょう。このような決意を新たにする意味でも充実した内容のセッションとなったように感じます。
(文責 機関誌部会幹事 鳥取県立博物館 尾﨑信一郎)