全国美術館会議 情報・資料研究部会編
『全国美術館会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』(全美アーカイブズ一覧2022)
本『全国美術館会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』(以下、全美アーカイブズ一覧2022)は、情報・資料研究部会が全国美術館会議の会員各館を対象に実施した「美術関係アーカイブズ資料所在調査」の成果の一部として、全国美術館会議の会員各館が所蔵する美術関係の記録資料群の概要を一覧にしたものです。美術関係の個人(作家、評論家等)や団体・組織(美術団体、画廊等)等の特定の出所に由来するアーカイブズ資料だけでなく、特定のテーマや内容によってまとめられた資料群等も含まれています。
調査の背景と経緯
我が国ではこれまで、美術関係の記録資料(書簡、日記、手稿、ノート、写真・映像記録、団体・組織の業務文書、契約書、作品台帳等)へのアクセスが著しく困難で、それらの所在情報をまとめて入手できる手段もありませんでした。情報・資料研究部会はこのような状況を憂慮し、2017年度以降課題整理を進め、美術関係の記録資料の所在情報を可視化し、資料本体へのアクセス性を高めることを目的とした「美術関係アーカイブズ資料所在調査」の実施を計画しました。2018年度、予備調査を実施し、第33回学芸員研修会「美術館のアーカイブズ資料の可視化とさらなる活用に向けて」(東京国立近代美術館)を開催し、本調査の概要と意義についてご説明させていただきました。
「美術関係アーカイブズ資料所在調査」の実施と全美アーカイブズ一覧2022
以上の経緯を踏まえて、2019年度、アンケート形式で調査票を会員各館に送付する「美術関係アーカイブズ資料所在調査」を実施しました。その結果、209館から調査票の返送があり、505件の資料群の所在情報が明らかになりました。このうち、今回公開する全美アーカイブズ一覧2022は、「全美ウェブサイトでアーカイブズ資料の有無とその名称を公開可」とご回答いただいた資料群全271件を一覧にしたものです。公開に際して、情報・資料研究部会員が調査票の転記、表記統一、項目整理等を行った上で、各所蔵館に内容を再確認いただきました。今回は所蔵情報の公開に至らなかった資料群も少なからずありますが、本調査にご協力いただいたことで、多くの貴重な資料群が国内美術館に所蔵されている事実が判明しました。
最後になりましたが、本調査は、2019年度のアンケートにご協力いただいた各館担当諸氏のご支援によって実現いたしました。貴重な時間を割いてご回答くださいました皆様に、この場を借りて厚く御礼申しあげます。また、新型コロナウィルスの流行により部会員の集合が難しく、当初予定より公開が大幅に遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。今後は、「条件付きで公開可」とご回答いただいた所蔵資料群について、所蔵館とご相談しながら、改めて公開方法を探っていきたいと考えております。
「美術関係アーカイブズ資料所在調査」の概要
- 調査対象:全国美術館会議の会員各館が所蔵する記録資料(書簡、日記、手稿、ノート、写真・映像記録、団体・組織の業務文書、契約書、作品台帳等)を含んだ資料群。美術関係の組織、個人を出所としたアーカイブズ資料のほか、美術関係の特定主題によってまとめられた資料群等。
- 調査方法:調査票によるアンケート形式
- アンケート実施期間:2019年11月20日~2020年1月20日
- 集計及び転記・リライト作業期間:2020年2月~2021年5月
- 各館担当者の再確認期間:2021年7~8月
- 最終的な編集作業期間:2021年9月~2022年11月
全美アーカイブズ一覧2022の収録方針
- 全国美術館会議会員館から返送されたアンケート調査票の内、調査項目1-6「将来、全美ウェブサイトで アーカイブズ資料の有無とその名称を公開できる範囲」に対し「公開可」とご回答いただいた機関の所蔵資料群で、情報・資料研究部会がとりまとめた内容を所属機関確認済みのものを掲載した。
- 調査項目1-6に対し「条件付公開可」または「非公開」と記載された資料群については掲載していない。
公開日
2022年12月1日掲載データに関するフィードバックのお願い
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幹事 鴨木年泰/東京富士美術館
川口雅子/国立アートリサーチセンター(仮称)設置準備室