理事会

日時
平成24年5月28日(月)10:00~12:00
場所
大塚国際美術館(徳島県)
2Fオープン・スペース
徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1

平成24年度第1回理事会

議 事

1. 審議事項
   議案第1号 新規入会申込会員館の審査及び退会館について
   議案第2号 役員の退任及び選任について
   議案第3号 平成23年度事業報告並びに収支決算について
   議案第4号 平成24年度事業計画(案)並びに収支予算(案)について
   議案第5号 東日本大震災復興対策事業の採択について
   議案第6号 「キュレーターズTV プロジェクト」について

2. 報告事項
   報告第1号 第62回総会について

レポート

全国美術館会議平成24年度第1回理事会と第61回総会のレポート

 平成24年5月28日に開かれた全国美術館会議の理事会と総会について、ひとまずホームページ上で速報的に報告いたします。
 今年の理事会と総会は鳴門市の大塚国際美術館を会場に開催されました。理事会には青柳会長、建畠副会長のほか、10名の理事、2名の監事が出席し、事務局としては職員6名、担当館の常務理事のほかに広報担当としてホームページ部会と機関誌部会の幹事が出席しました。
 午前中の理事会では、新規入会を希望する美術館の審査、退会館の報告に続いて、役員の退任と選任、平成23年度事業と収支決算、平成24年度事業計画案と収支予算案等の議案が審議されました。これらの議案と並んで東日本大震災復興対策事業の採択に関する報告と審議が行われました。これは震災に対する募金やチャリティー・オークションの収益を被災地域の美術館活動に用いるため、要請のあった事業に関してその適否を採択するもので、具体的には放射能測定器の購入や資料保管庫の整備、展覧会の支援等に適用されています。震災から一年以上経ちますが、被災地の美術館をめぐる状況はいまだに厳しく、全国美術館会議としても腰を据えて救援活動を続けることの必要性をあらためて思い知る内容でした。
 午後の総会は大塚国際美術館のシスティナ・ホールで開かれ、200名以上の出席者が実物大に再現されたミケランジェロの《最後の審判》の下で会議に臨みました。徳島県知事や鳴門市長らの歓迎挨拶の後、最初に午前中の理事会の結果を受けて議案が協議され、いずれも承認されました。続いて報告事項として企画委員会と研究部会の昨年度の活動と今年度の活動予定が報告され、今述べた東日本大震災復興対策委員会の活動についても報告がありました。続いて全国美術館会議の継続的な働きかけが実って新設された美術品政府補償制度について、昨年度は5件の適用があったこと、今後もさらに多くの展覧会を対象とすべく制度の見直しを図ることが報告されました。また美術著作権の管理団体が一元化され、実際の影響については現在確認中であるとの報告もなされました。これらは今後の美術館活動と深く関わる問題となるでしょう。さらに夏に向かって予想される節電と空気環境の問題について山梨理事から国立美術館内の検討チームの報告が紹介され、この問題に関しては今後、内容を保存研究部会に照会することとなりました。
 節電の問題はいうまでもなく震災と原発事故の余波として発生しましたが、総会終了後、「文化財レスキュー事業の経過とこれから」と題して、レスキュー事業や修復作業に実際に携わった関係者を報告者とパネラーとして特別セッションが開催されました。昨年度の特別セッションが被災館側から震災と原発事故を検証する内容であったのに対し、今回はレスキュー作業をとおして救援作業に関わった側からの報告でした。多くの写真や資料をとおして当時の状況が生々しく伝わり、あらためて震災と美術館という問題を考える機会となりましたが、今回は全体に時間が足りず、特にパネル・ディスカッションで十分に議論を深めることができなかったのが残念でした。
 総会の結果についてはあらためて総会報告書が発行され、その詳細が報告されます。また震災の復興対策事業や文化財レスキュー事業についてもいずれ詳しい報告書が全国美術館会議から発行されますが、昨年度より理事会に広報担当の幹事を加えていただいたことを受けて、正式な報告書が発行される以前にホームページや機関誌ZENBIで全国美術館会議の最新の動向を知っていただくためにここで簡単な報告をさせていただきました。
(文責 機関誌部会幹事 鳥取県立博物館 尾﨑信一郎)
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