第64回情報・資料研究部会会合報告
内 容
第64回部会では、「第39回全国美術館会議学芸員研修会」の企画内容と構成について、前回部会での検討内容をふりかえりながら、具体的な方針やタイトルなどについて、さらに協議を深めた。
1. 「第39回全国美術館会議学芸員研修会」について
(1) 日程と会場など
2025年3月7日(金)13:30〜17:30 於:損保ジャパン本社ビル2階大会議室
主催:一般社団法人全国美術館会議、SOMPO美術館
企画:全国美術館会議 情報・資料研究部会
(2) プログラム(案)
13:30~13:50
開会挨拶 西脇芳和SOMPO美術館館長 (3分)
プログラム紹介 鴨木年泰幹事 (2分)
部会報告「アーカイブズ所在調査の結果報告、今後の展望」 谷口英理 (15分)
2部構成の前半は、収蔵作品・資料のデジタル化やアーカイブ構築と情報発信における
注目すべき好事例の個別の発表(各館25分ずつ)で構成する。いくつかの候補館の中
から、国公立から私立まで多様な運営母体・規模による美術館で、それぞれに異なるプ
ラットフォームを活用している以下の館に打診をする方針が固まった。
13:50~15:50
事例報告
趣旨説明及び主要プラットフォームの紹介 川口雅子幹事 (20分)
文化遺産オンライン/ジャパンサーチ/SHŪZŌ/Googleアート&カルチャー他
事例報告1 広島県立美術館(文化遺産オンライン活用の事例) (25分)
事例報告2 東京富士美術館(ジャパンサーチ活用の事例) (25分)
事例報告3 川越市立美術館(SHŪZŌ活用の事例) (25分)
事例報告4 国立国際美術館(NMAOサーチ) (25分)
<休憩> (15分)
16:05~17:25
パネルディスカッション (70分)
モデレーター:川口雅子幹事 パネリスト:事例報告者
質疑応答 (10分)
閉会挨拶 山梨絵美子部会長 (5分)
17:30 終了
(3) タイトル
さまざまに議論を重ねた結果、研修会の内容を端的に伝える効果的なタイトルとして、次
のようにまとまった。タイトルに含みきれない要素(例:アーカイブズの調査報告など)に
ついては、企画主旨文で触れることとした。
「改正博物館法施行2年目の現場から
所蔵作品情報の公開とプラットフォームの活用・連携の可能性」
(4) 準備スケジュール
11月中: 登壇者への交渉、確定
12月初め: 打合せ(オンライン)
12月中旬: 企画報告/企画委員会(企画委員長)
12月中下旬: 学芸員研修会告知・募集開始
年内または年明け早々 登壇者打合せ(拡大部会合)/オンライン
1月下旬: 企画報告/全美理事会
2月: 打合せ(部会合)/SOMPO美術館:会場下見
3月7日: 学芸員研修会 ハイフレックス開催を検討
本番でハイフレックス形式にするか対面のみとするか、録画を後日配信とするかなどは、研
修会予算との兼ね合いで詰めていく必要がある。
その他経費として予算に含まれるのは、登壇者への謝金、昼食代、懇親会費、スタッフの交
通費・宿泊費など。
2. その他共有事項
・長名氏:東京国立近代美術館では、シュルレアリスム100周年ということで、「シュルレア
リスム100年」に関わる企画(所蔵品ギャラリー)を担当。また、「日米抽象美術展」とい
う1955年に開
催された展覧会の再構成をプレイバックシリーズ(2回目)として開催中。VRもお薦めだが
当時丹下健三がデザインした会場をリアルに再現しているのもみどころ。
・山梨部会長:10月22日、東京文化財研究所で開催されたアメリカの図書館司書によるシン
ポジウムでジャパンサーチが紹介された。アメリカでは会員限定のプラットフォームが多い
ことから、誰でも利用可能なジャパンサーチは好評であった。また全国美術館会議のような
任意団体がつなぎ役として係わっていることがユニークでよい、と評された。
・川口幹事・黒澤氏:隔年で開催される国際美術図書館会議@バルセロナに出席し、欧米の動
向や、スペイン国内の美術情報事情を調査。欧米の図書館では、AIに件名を生成させるな
ど新しい技術を積極的にトライアルしつつ、同時に批判的な視点も持って取り組んでいる状
況に触れることができた。この点について、上述の東文研主催スタディーツアー参加者の中
にバルセロナ会議出席者も偶然いらして、その人もやはりバルセロナ会議でのAI関連の発表
について「リミットのある可能性、または可能性のあるリミット」と表現していたのが印象
的だった。また、これまで美術図書館の会議はどちらかと言えば図書の話題が中心だったと
思うが、過去の展覧会記録や収集関係の情報など、美術館の資料アーカイブやその公開につ
いても多く語られるようになってきたという印象を得た。
3. 部会長挨拶/山梨絵美子部会長
美術館が所蔵している電子化すべき収蔵品は作品に限らず、機関アーカイブズ含め、様々な資
料が含まれる。それらが電子化され、継承・共有されることが望まれる一方で、予算がないなど
いろいろな環境の中で苦労している現場はたくさんある。次回の研修会の主旨文では、資料も含
めたアーカイブズの対象が広範囲に渡っていることと、その重要性を、ぜひ押さえてほしい。改
正博物館法の施行2年目となり
行政は電子情報の作成と公開を
一緒に語りがちだが、実際は人
の作業と予算がかかるものだと
いう理解を広げていきたい。全
国美術館会議がジャパンサーチ
と連携している点は、日本博物
館協会でも注目されている。今
後もぜひ発信を続けたい。
1. 「第39回全国美術館会議学芸員研修会」について
(1) 日程と会場など
2025年3月7日(金)13:30〜17:30 於:損保ジャパン本社ビル2階大会議室
主催:一般社団法人全国美術館会議、SOMPO美術館
企画:全国美術館会議 情報・資料研究部会
(2) プログラム(案)
13:30~13:50
開会挨拶 西脇芳和SOMPO美術館館長 (3分)
プログラム紹介 鴨木年泰幹事 (2分)
部会報告「アーカイブズ所在調査の結果報告、今後の展望」 谷口英理 (15分)
2部構成の前半は、収蔵作品・資料のデジタル化やアーカイブ構築と情報発信における
注目すべき好事例の個別の発表(各館25分ずつ)で構成する。いくつかの候補館の中
から、国公立から私立まで多様な運営母体・規模による美術館で、それぞれに異なるプ
ラットフォームを活用している以下の館に打診をする方針が固まった。
13:50~15:50
事例報告
趣旨説明及び主要プラットフォームの紹介 川口雅子幹事 (20分)
文化遺産オンライン/ジャパンサーチ/SHŪZŌ/Googleアート&カルチャー他
事例報告1 広島県立美術館(文化遺産オンライン活用の事例) (25分)
事例報告2 東京富士美術館(ジャパンサーチ活用の事例) (25分)
事例報告3 川越市立美術館(SHŪZŌ活用の事例) (25分)
事例報告4 国立国際美術館(NMAOサーチ) (25分)
<休憩> (15分)
16:05~17:25
パネルディスカッション (70分)
モデレーター:川口雅子幹事 パネリスト:事例報告者
質疑応答 (10分)
閉会挨拶 山梨絵美子部会長 (5分)
17:30 終了
(3) タイトル
さまざまに議論を重ねた結果、研修会の内容を端的に伝える効果的なタイトルとして、次
のようにまとまった。タイトルに含みきれない要素(例:アーカイブズの調査報告など)に
ついては、企画主旨文で触れることとした。
「改正博物館法施行2年目の現場から
所蔵作品情報の公開とプラットフォームの活用・連携の可能性」
(4) 準備スケジュール
11月中: 登壇者への交渉、確定
12月初め: 打合せ(オンライン)
12月中旬: 企画報告/企画委員会(企画委員長)
12月中下旬: 学芸員研修会告知・募集開始
年内または年明け早々 登壇者打合せ(拡大部会合)/オンライン
1月下旬: 企画報告/全美理事会
2月: 打合せ(部会合)/SOMPO美術館:会場下見
3月7日: 学芸員研修会 ハイフレックス開催を検討
本番でハイフレックス形式にするか対面のみとするか、録画を後日配信とするかなどは、研
修会予算との兼ね合いで詰めていく必要がある。
その他経費として予算に含まれるのは、登壇者への謝金、昼食代、懇親会費、スタッフの交
通費・宿泊費など。
2. その他共有事項
・長名氏:東京国立近代美術館では、シュルレアリスム100周年ということで、「シュルレア
リスム100年」に関わる企画(所蔵品ギャラリー)を担当。また、「日米抽象美術展」とい
う1955年に開
催された展覧会の再構成をプレイバックシリーズ(2回目)として開催中。VRもお薦めだが
当時丹下健三がデザインした会場をリアルに再現しているのもみどころ。
・山梨部会長:10月22日、東京文化財研究所で開催されたアメリカの図書館司書によるシン
ポジウムでジャパンサーチが紹介された。アメリカでは会員限定のプラットフォームが多い
ことから、誰でも利用可能なジャパンサーチは好評であった。また全国美術館会議のような
任意団体がつなぎ役として係わっていることがユニークでよい、と評された。
・川口幹事・黒澤氏:隔年で開催される国際美術図書館会議@バルセロナに出席し、欧米の動
向や、スペイン国内の美術情報事情を調査。欧米の図書館では、AIに件名を生成させるな
ど新しい技術を積極的にトライアルしつつ、同時に批判的な視点も持って取り組んでいる状
況に触れることができた。この点について、上述の東文研主催スタディーツアー参加者の中
にバルセロナ会議出席者も偶然いらして、その人もやはりバルセロナ会議でのAI関連の発表
について「リミットのある可能性、または可能性のあるリミット」と表現していたのが印象
的だった。また、これまで美術図書館の会議はどちらかと言えば図書の話題が中心だったと
思うが、過去の展覧会記録や収集関係の情報など、美術館の資料アーカイブやその公開につ
いても多く語られるようになってきたという印象を得た。
3. 部会長挨拶/山梨絵美子部会長
美術館が所蔵している電子化すべき収蔵品は作品に限らず、機関アーカイブズ含め、様々な資
料が含まれる。それらが電子化され、継承・共有されることが望まれる一方で、予算がないなど
いろいろな環境の中で苦労している現場はたくさんある。次回の研修会の主旨文では、資料も含
めたアーカイブズの対象が広範囲に渡っていることと、その重要性を、ぜひ押さえてほしい。改
正博物館法の施行2年目となり
行政は電子情報の作成と公開を
一緒に語りがちだが、実際は人
の作業と予算がかかるものだと
いう理解を広げていきたい。全
国美術館会議がジャパンサーチ
と連携している点は、日本博物
館協会でも注目されている。今
後もぜひ発信を続けたい。
(報告者:ちひろ美術館・東京 中平洋子)
参加者:10名(会員名簿順)
山梨絵美子(千葉市美術館)部会長
鴨木年泰(東京富士美術館)幹事
川口雅子(国立アートリサーチセンター)幹事
石黒礼子(国立アートリサーチセンター)
秋田奈美(国立アートリサーチセンター)
黒澤美子(国立西洋美術館)
中平洋子(ちひろ美術館・東京)
長名大地(東京国立近代美術館)
廣川晶子(国立工芸館)
小林豊子(全国美術館会議事務局)
鴨木年泰(東京富士美術館)幹事
川口雅子(国立アートリサーチセンター)幹事
石黒礼子(国立アートリサーチセンター)
秋田奈美(国立アートリサーチセンター)
黒澤美子(国立西洋美術館)
中平洋子(ちひろ美術館・東京)
長名大地(東京国立近代美術館)
廣川晶子(国立工芸館)
小林豊子(全国美術館会議事務局)