第61回情報・資料研究部会会合報告
内 容
第61回情報・資料研究部会は、大阪中之島美術館を会場に施設見学会が行われた後、対面とオンラインによるハイフレックスによって行われた。
1. 大阪中之島美術館アーカイブズ情報室見学会
菅谷富夫館長より、大阪中之島美術館の設立
経緯や運営形態、また、アーカイブズ情報室の
位置付けに関する説明がなされた。
その後、松山ひとみ氏より、アーカイブズ情
報室の具体的な活動内容や導入している情報管
理システム(Archives space)の紹介、石谷舞
氏(システム担当)による目録登録作業の実演
を交えてご紹介いただいた。
そのほか、図書資料の登録に使用している図
書館システム(情報館)や、館内でのデジタル
アーカイブの公開に用いているアーカイブ管理
ツール(Omeka)といった、他システムの用途
途に関する説明がなされた。その上で、実際に
資料を保存している施設見学が行われた。
2. 第61回情報・資料研究部会会合
2022年11月19日、越智裕二郎部会長が鬼籍
に入られたことについて、改めて鴨木幹事より
報告があり、部会として黙祷を捧げた。新たに
部会長に就任された山梨絵美子氏のご紹介とご
挨拶を経て、改めて部会員の自己紹介が行われ
た。その後、以下の議題について報告または情
報共有がなされた。
(1) 令和4年度活動報告・令和5年度活動計画について/鴨木年泰幹事
令和4年度に行われた第59回会合(5月18日)、第60回会合(8月4日)や「デジタルアーカ
イブフェス022」でのジャパンサーチ連携事例・活用事例報告(8月25日)、『全国美術館
会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』の公開(12月1日)等の活動を振り返った。
令和5年度も引き続き、部会合の開催(年間2〜3回)や『アーカイブズ資料所在一覧2022』
の継続的な調査活動・情報更新、ジャパンサーチ連携に関する説明会/ワークショップの実施を
行う見通しであることが共有された。
(2) 『全国美術館会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』について/谷口英理氏
現状は概要の解説にも示しているとおり、ア
ンケートに基づいて、「条件なしに公開可」と
としている資料群だけを公開しており、公開件
数が505件中271件のみにとどまっている。今
後、「全美参加館のみ」や「条件付き」、「非
公開」としている美術館に働きかけ、掲載件数
の増加を目指す。懸念点としては、アンケート
の実施から時間が経過しており、各館の担当者
と連絡がつくか不安があることが挙げられた。
また、科学分野で同種の所在調査を行うことを
検討している研究者から、参考にしたいという
問い合わせがあった。全美でのアンケートを行う際も、国文学資料館の所在調査や、文化庁の国
立近現代建築資料館の調査などを参考にしており、事前に問題の把握ができた。そのため、単に
資料群の情報を出すだけでなく、アンケートから得られた情報(例えば、アーカイブズ資料を抱
える美術館の悩みなど)も何らかの形で共有化していきたいという展望が示された。部会員から
は「全美参加館のみ」にしている館の事情の推察や、アーカイブズの情報が繋がっていくことの
意義について意見が交わされた。
(3) 新企画 国立アートリサーチセンター(仮称)との連携協力について/川口雅子幹事
国立美術館本部に新たに設置される国立アー
トリサーチセンター(仮称)について、組織に
関する説明がなされた。美術情報の振興を担う
ことから、今回のアーカイブ所在調査を元に、
将来的なデータベースの構築など、連携協力の
可能性を探るという趣旨の提案がなされた。部
会員からは、ジャパンサーチにおいても、全美
のつなぎ役を当部会が担っていることもあり、
スキームとしては似たような形で考えられるの
ではないかといった意見や、継続的かつ安定的
にデータベースが維持される状況は望ましい、
また、情報公開の主体が変更するため許諾の再取得などの手続きが必要になるのではといった意
見が交わされた。
(4) 活動交付金交付申請の件
来年度、具体的な用途が決まっている企画などの提案はなかった。
(5) ISILについて
前回の部会でも議題に上がったが、国会図書館から各館に採番されるISIL番号の付与の状況に
関して手短に情報共有がなされた。東京富士美術館では作品番号に加えることなど検討している
という報告があった。
3. 次回会合について
時間の都合上、決まらなかったため、改めてメールベースで調整を行うことになった。
1. 大阪中之島美術館アーカイブズ情報室見学会
菅谷富夫館長より、大阪中之島美術館の設立
経緯や運営形態、また、アーカイブズ情報室の
位置付けに関する説明がなされた。
その後、松山ひとみ氏より、アーカイブズ情
報室の具体的な活動内容や導入している情報管
理システム(Archives space)の紹介、石谷舞
氏(システム担当)による目録登録作業の実演
を交えてご紹介いただいた。
そのほか、図書資料の登録に使用している図
書館システム(情報館)や、館内でのデジタル
アーカイブの公開に用いているアーカイブ管理
ツール(Omeka)といった、他システムの用途
途に関する説明がなされた。その上で、実際に
資料を保存している施設見学が行われた。
2. 第61回情報・資料研究部会会合
2022年11月19日、越智裕二郎部会長が鬼籍
に入られたことについて、改めて鴨木幹事より
報告があり、部会として黙祷を捧げた。新たに
部会長に就任された山梨絵美子氏のご紹介とご
挨拶を経て、改めて部会員の自己紹介が行われ
た。その後、以下の議題について報告または情
報共有がなされた。
(1) 令和4年度活動報告・令和5年度活動計画について/鴨木年泰幹事
令和4年度に行われた第59回会合(5月18日)、第60回会合(8月4日)や「デジタルアーカ
イブフェス022」でのジャパンサーチ連携事例・活用事例報告(8月25日)、『全国美術館
会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』の公開(12月1日)等の活動を振り返った。
令和5年度も引き続き、部会合の開催(年間2〜3回)や『アーカイブズ資料所在一覧2022』
の継続的な調査活動・情報更新、ジャパンサーチ連携に関する説明会/ワークショップの実施を
行う見通しであることが共有された。
(2) 『全国美術館会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』について/谷口英理氏
現状は概要の解説にも示しているとおり、ア
ンケートに基づいて、「条件なしに公開可」と
としている資料群だけを公開しており、公開件
数が505件中271件のみにとどまっている。今
後、「全美参加館のみ」や「条件付き」、「非
公開」としている美術館に働きかけ、掲載件数
の増加を目指す。懸念点としては、アンケート
の実施から時間が経過しており、各館の担当者
と連絡がつくか不安があることが挙げられた。
また、科学分野で同種の所在調査を行うことを
検討している研究者から、参考にしたいという
問い合わせがあった。全美でのアンケートを行う際も、国文学資料館の所在調査や、文化庁の国
立近現代建築資料館の調査などを参考にしており、事前に問題の把握ができた。そのため、単に
資料群の情報を出すだけでなく、アンケートから得られた情報(例えば、アーカイブズ資料を抱
える美術館の悩みなど)も何らかの形で共有化していきたいという展望が示された。部会員から
は「全美参加館のみ」にしている館の事情の推察や、アーカイブズの情報が繋がっていくことの
意義について意見が交わされた。
(3) 新企画 国立アートリサーチセンター(仮称)との連携協力について/川口雅子幹事
国立美術館本部に新たに設置される国立アー
トリサーチセンター(仮称)について、組織に
関する説明がなされた。美術情報の振興を担う
ことから、今回のアーカイブ所在調査を元に、
将来的なデータベースの構築など、連携協力の
可能性を探るという趣旨の提案がなされた。部
会員からは、ジャパンサーチにおいても、全美
のつなぎ役を当部会が担っていることもあり、
スキームとしては似たような形で考えられるの
ではないかといった意見や、継続的かつ安定的
にデータベースが維持される状況は望ましい、
また、情報公開の主体が変更するため許諾の再取得などの手続きが必要になるのではといった意
見が交わされた。
(4) 活動交付金交付申請の件
来年度、具体的な用途が決まっている企画などの提案はなかった。
(5) ISILについて
前回の部会でも議題に上がったが、国会図書館から各館に採番されるISIL番号の付与の状況に
関して手短に情報共有がなされた。東京富士美術館では作品番号に加えることなど検討している
という報告があった。
3. 次回会合について
時間の都合上、決まらなかったため、改めてメールベースで調整を行うことになった。
(報告者:東京国立近代美術館 長名大地)
参加者:15名(会員名簿順)
山梨絵美子(千葉市美術館)部会長
鴨木年泰(東京富士美術館)幹事
川口雅子(国立美術館アート・コミュニケーションセンター(仮称)設置準備室/
国立西洋美術館)幹事
桑名真吾(平塚市美術館)
八柳サエ(横浜美術館)※オンライン参加
黒澤美子(国立西洋美術館)
谷口英理(国立美術館アート・コミュニケーションセンター(仮称)設置準備室/
東京国立近代美術館)
中島啓子(SOMPO美術館)
中平洋子(ちひろ美術館・東京)
長名大地(東京国立近代美術館)
清原佐知子(大阪中之島美術館)
松山ひとみ(大阪中之島美術館)
谷口依子(姫路市立美術館)
朝倉芽生(高知県立美術館)
オブザーバー
小林豊子(全国美術館会議事務局)
鴨木年泰(東京富士美術館)幹事
川口雅子(国立美術館アート・コミュニケーションセンター(仮称)設置準備室/
国立西洋美術館)幹事
桑名真吾(平塚市美術館)
八柳サエ(横浜美術館)※オンライン参加
黒澤美子(国立西洋美術館)
谷口英理(国立美術館アート・コミュニケーションセンター(仮称)設置準備室/
東京国立近代美術館)
中島啓子(SOMPO美術館)
中平洋子(ちひろ美術館・東京)
長名大地(東京国立近代美術館)
清原佐知子(大阪中之島美術館)
松山ひとみ(大阪中之島美術館)
谷口依子(姫路市立美術館)
朝倉芽生(高知県立美術館)
オブザーバー
小林豊子(全国美術館会議事務局)