保存研究部会過去の活動

日時
2020年2月27日(木) ~2020年2月28日(金)
場所
島根県立石見美術館

第54回保存研究部会会合報告

内 容

2月27日(木)
14:00~16:15 講演及び質疑応答・意見交換
         「文化財輸送環境の保全」(和田浩氏/東京国立博物館学芸研究部
                           保存修復課環境保存室室長)
   和田浩さんより、文化財輸送環境の保全についてご講演いただきました。
   各輸送機関(空路・陸路・海路)によって
  どのような振動や衝撃が起こりうるのか、そ
  してその文化財への影響を軽減するためにど
  のような梱包資材を使用し、どのように梱包
  すればよいかなど、物理的、科学的アプロー
  チに基づく詳細な研究成果をご紹介いただき
  ました。また、地道な個別検証を積み上げて
  ゆき、一般化して文化財輸送の最適化をはか
  りたいという今後の展望や、そのために現在
  取り組んでおられる研究についてもお話しい
  ただきました。
   質疑応答では、和田さんが開発に携わったという、館内輸送用台車の構造などにも話はお
  よび、部会員の誰もが日常的に直面する作品輸送というテーマに、大きな関心を持っている
  ことがうかがえました。
16:15~16:30 川崎市市民ミュージアム救援活動について現状報告 事務局
2月28日(金)
9:30~11:00 バックヤードツアー 
   企画幹事・左近充さんと、同館学芸課長の
  南目さんのご案内で収蔵庫(立体・平面/フ
  ァッション)を、また、いわみ芸術劇場*館
  長の木原義博さんのご案内で、同劇場大ホー
  ルを見学させていただきました。
   同館コレクションの特色の一つであるファ
  ッション分野の収蔵庫は、その仕組みや保管
  の仕方など、よく考えられた独特のもので、
  たいへん興味深く拝見しました。そして、建
  築家と劇場担当者との綿密な対話のもと建て
  られたという大ホールの見学中には、劇場と美術館との連携の取り組みなどについてもご解説
  いただきました。   
   *島根県立石見美術館のある島根県立芸術文化センター「グラントワ」は、美術館と県立いわ
   み芸術劇場の複合施設です。

※新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、各県/各館で、不要不急の出張の自粛等の対応
 がなされた影響もあり、従来よりも少ない参加者ではありましたが、事前に企画幹事の左近充さ
 んより、感染拡大防止について注意喚起をいただいた上、少し時間を短縮して会合を開催しまし
 た。また予定していた情報交換会は中止としました。
(報告者:岩手県立美術館 盛本直美)

出席者

1日目:部会員7名、オブザーバー5名、事務局1名
2日目:部会員4名、オブザーバー5名、事務局1名

 
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